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中村 中のnew album『聞こえる』が完成しました!サウンドプロデュースを担当した笹路正徳です。
素晴らしい作品になりました!中村 中の圧倒的なポテンシャルに驚きつつの制作でした。
今の時代に、こんな純粋に音楽を探求し表現しようとする26歳なんて、まず、いないと思っていました。
それだけ僕にとって、このスゴイ音楽家との出会いは衝撃でした。

もちろん中村 中の事は知っていましたし、実際に見かけた事もありました。
スレンダーな美人という印象で、テレビなどで見ると、1m75cmほどあると思ってました。ホンモノは少し低いですが。

[1st Contact]

レコーディングの打ち合わせ初日、あいさつもそこそこに、ものすごいボルテージでアルバムの構想と自分の思いを数時間語り続ける彼女がいました。
僕は前もって彼女の作ったデモは聞いていたし、初期段階での歌詞ももらっていましたから、表面的にはどんな感じかは漠然とはイメージしていました。
しかしこの打ち合わせでの新たな情報はアルバム制作の根幹とも言えるもので、時間も膨大になりました(通常の音楽の打ち合わせにくらべると)彼女は曲を完成させるまで、いろいろな角度から思いをぶちまけます。
表面的な音楽の話は精緻を極め、微に入り細に入り理想があり、理由があります。音大出なカンジです。

それと、アルバムのストーリーと歌詞の関係、曲の意味合いです。
今回は最初から曲順が決まっていて、アルバムのトータルのテーマが決まっていました(いつもそうらしいが)。
この事により、単品で音楽を捉えるのとは、イメージ、方法が自ずと変わってきます。<曲の意味づけ>ここのところが重要ポイントで、一番彼女の個性を形成している部分なんでしょう。

[作品]

中村 中の作品はどんなものか?

音楽的にはさまざまなジャンルにわたる幅の広さ。あえてジャンル分けすると、ロック、フォーク、ファンク、テクノ、ちょっと前のニューミュージック風、歌謡曲、ミュージカル風、さらに今回はシャンソン風なんてのもあります。ワザのデパートです。すごいバラエティー!そしてなによりメロディーメーカーとして素晴らしい!これは飽きずにアルバム最初っから最後まで聴けますよ!

中村 中は歌詞がイイ!という意見をよく聞きます。
歌詞はほんとにテクニックが必要だと思いますが、彼女はまさにテクニシャンだと思います。
主題に向かって五感を駆使して表現して来ます。
私小説的なスタンスの歌詞が多いと思いますが、リスナーの気持ちが入り込む自由さもちゃんとあります。
フックになる印象的なアイテムを放り込むのもうまいし。いろんな自分になって書いてるんじゃないでしょうか?作詞、作曲に関して(サウンドプロデューサー側から見ると)全く手のかからない人です。

[中村 中のアーティストとしての魅力]

個人的に思う事は、彼女はポップスのシンガーソングライターというよりも、もっとストイックな音楽家だと思います。
音楽ファンは昔から、そこらへんにはまずいない様な、すごい技術と人間力を持った音楽家の作品に触れ、「音楽っていいな」と思ってきたわけです。
中村 中はまさにそういう存在だと思います。
もちろんもっと技術が向上する余地はあります。だってまだ26歳だし。歌唱力なんてまだまだ伸びるはずです。
が、今でもノッてる時の(お調子をこいてる)歌はほんとにスゴイ!

彼女はリズム感が人並みはずれてすぐれています。天才的です。おそらく産まれ持ったものです。
少し技術的な話をすると、リズムとは引力を味方にする、みたいな所があって、演奏とか歌唱に放物線のヴァイブレーションがある事が大事なのです。
音の出が走った、遅れたとかはその前の前の話。だから、フレーズのダイナミクスがなにより重要なのです。
彼女はクラップ一発でリズムが出せたりします。(風船女PART2)手をたたくタイミングがいいのはもちろん、そこまで鳴っている楽器に続いてよい強さでたたく。
クラップが入ったサウンドをしっかりイメージするのです。何かなんでもない話の様ですが、スゴイ事なのです。
ピアノを弾いても、そのリズム感は強力な武器になります。

今後さらに音楽の幅を広げて、いろいろチャレンジし続けてほしいと思います。
他の人の作品を聴いて刺激を受けるのもいいんじゃないかと思います。

[今回の作品作りに関してのテーマ]

これは僕の話なんですが、『聞こえる』制作にあたってのテーマ、留意するべき点を決めました。

1)劇場性を意識する
2)色彩感をはっきりする、(原色に近い)
3)アルバムの展開を念頭においてアレンジする

彼女のパフォーマンスは多分に劇場型。サウンドも自然に寄り添えば、その個性がより魅力的になるはずだと思いました。

色は濃いめ!それは全箇所濃いという事ではなく、ほんの5%の部分でも目立つ濃い色がある。
それはなにか人間の本能に直接アピールする類のもの。

中村 中は脱力できます。音楽とかスポーツは、いかに脱力して瞬発力を得るか、が永遠のテーマ。
彼女は(リズム感が良いという事と密接に関係があるが)脱力する術を知っています(お調子こいているとき)。
激しいオケの上にスーっと滑るように乗っかって歌える、という様に。だからオケも個性が求められる。歌とのメリハリが重要。

曲順が最初っから決まっているから、曲と曲のつながり方とか全体の中でどういうスタンスの曲かを考えて制作する必要がありました。
そういう意味では『聞こえる』という表題音楽的作品なのかもしれません。

是非多くの人に聴いて欲しい作品です。中村 中の2ndステージの始まりと言えるかもしれません。

笹路正徳 Masanori Sasaji/プロデュース/編曲/作曲/演奏

慶応大学在学時より参加した「鈴木勲 グループ」でJAZZピアニストとしてプロのキャリアをスタートさせる。1979年、清水靖晃、山木秀夫等と実験的ロックバンド「MARIAH」を結成し、1983年までに5枚のアルバムを発表。時期を同じくして自身の名義でアルバム「HOT TASTE JAM」、「HELL-TER SKELTER」をリリース。並行して1981年から1982年には渡辺香津美の「KAZUMI BAND」に参加。この頃より、アレンジャー・プロデューサーとしての活動が注目され始め、以後「ラウドネス」 「チューブ」 「プリンセス プリンセス」 「ユニコーン」 「THE YELLOW MONKEY」「スピッツ」「コブクロ」「小沼ようすけ」「南佳孝」「HY」「森山直太朗」「ベッキー♪#」「つじあやの」「熊木杏里」「ゴスペラーズ」等 数多くのアーティストを手掛けている。

また、LIVEツアーの音楽監督や「Masanori Sasaji & Japan All Stars」としてBIG BAND JAZZのLive、NHK・SONGSなどの音楽番組でのアレンジも手掛けるなど幅広く活動を展開。2012年はバンドを結成し「笹路正徳 Music Review」というLiveを行なっている。

オフィシャルホームページ http://www.mimi-tab.net/
マネージメント 有限会社 みみたぶ [email protected]
〒155-0031 東京都世田谷区北沢5-1-4 ガーデンハウス蛭田303

5th album『聞こえる』スペシャルコンテンツ
中村 中LIVE2012 聞こえる プレイボタンを押せ!
アコースティックツアー阿漕な旅2012〜未来に宛てた手紙〜
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